渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで、2017年9月24日(日)まで開催中の「ベルギー奇想の系譜」展に行ってきました。目玉はヒエロニムス・ボスの「トゥヌグダルスの幻視」です。チケットや看板にもなっていますね。
「バベルの塔」展といい、ボスやブリューゲル、ルーベンスなど15世紀フランドル美術の話題が続きますね。と思ったら、なるほど周年か。日本で展覧会が続くのですから、オランダやベルギーの美術好きは盛り上がって当然ですよね。
この展覧会では案の定、ボスやブリューゲルの絵に鑑賞者が鈴なりになってました。日曜だもん、当たり前ですよね。でもぼくは混んでる美術館が大の苦手で、さっさと飛ばします。平日に時間作って見に行けばいいんですよ。
でも、なぜか列が途切れている空間がありました。ラッキーと思いながら、人がまばらな絵の数々の前に立つと、どれも同じ作家。フェリシアン・ロップスという画家の作品です。「毒麦の種を蒔くサタン」「娼婦政治家」「舞踏会の死神」とか、おそらく後から命名されたであろうタイトルもまた良い。こういうダーク、ブラックなものが大好き。「ブラックユーモア」というのもあるけど、ユーモアはあってもなくてもいいのです。
人間の暗黒面を風刺たっぷりに描いたロップスは、問題な表現ゆえ、批判にさらされたようですね。この展覧会にお出かけの方は中盤の「19世紀末から20世紀初頭のベルギー象徴派、表現主義」のパートにも目を向けてみてください。ロップスの絵画は10点ほど。もっと見たいなと調べてみたら、ベルギーにはフェリシアン・ロップス美術館もあるそうです。所蔵数約3,000点! これは将来行ってみたい。